愛之助
代役は六代目・片岡愛之助。
市川海老蔵 成田屋の粋と艶 (和樂ムック)
の騒動のおかげで、日本中の注目を浴びた京の年中行事・當卯年吉例顔見世興行。
昼の部・阿国歌舞伎夢華は片岡仁左衛門丈が、夜の部・外郎売は片岡愛之助丈が代役を勤めることになった。
当初、昼の部だけチケットを取っていたけれど(仁左衛門・玉三郎コンビとなって、更に華やかで見ごたえあるものになった)、成田屋のお家芸である「外郎売」を松嶋屋の片岡愛之助丈が演じるということで、急遽、夜の部のチケットも確保することに。(ただし、3階の2等B。あまり良いとは言えない席で、9500円。顔見世料金は非常に高い)。おまけに、今回の夜の部の終演は何と午後10時40分(開演午後4時15分)で、観る方もハードなスケジュールだった。
さて、その「外郎売」。劇中で述べる口上の「六代目片岡愛之助が相努め申し候」(だったかな)で、まず大いに受ける。そして、有名な早口言葉をそつなくこなし、客席からは万雷の拍手が鳴り響いていた。
成田屋の専売特許のような「外郎売」の主役・曽我五郎を(愛之助丈が手にしていた扇に三升が描かれていたが、他の細かい紋は分からなかった)、南座の顔見世という大舞台で上方歌舞伎の愛之助丈が演じるという、今後もう二度と無いであろう貴重な体験だった。
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