ニコニコ超会議2016で上演された超歌舞伎「今昔饗宴千本桜」(はなくらべせんぼんざくら)
先日、NHK の番組「にっぽんの芸能」で放送された超歌舞伎「花街詞合鏡」(くるわことばあわせかがみ)が面白かったので、6月28日に発売されたばかりの「今昔饗宴千本桜」のブルーレイを購入した。
(細かいことだが、超歌舞伎の演目「今昔饗宴千本桜」も「花街詞合鏡」も古典歌舞伎に則り、文字数が奇数になっている)。
「千本桜」をキーワードに、江戸時代から上演され続ける歌舞伎の演目「義経千本桜」
と、21世紀のボーカロイド楽曲「千本桜」
の世界観を織り込んだ新作歌舞伎だが、歌舞伎を知らない人や初音ミクに馴染みがない人にも楽しめる内容だった。歌舞伎のアナログな手法と最新のデジタル・テクノロジーが見事に融合された、斬新な演出も見どころ。中村獅童と初音ミクとの舞(特に扇子の受け渡し)や澤村國矢と初音ミクの掛け合いが非常にスムーズだったのに驚いた。役者や演出担当の藤間勘十郎は相当大変だったことだろう。
本編終了後のカーテンコールは、さながらロックコンサートの様。中村獅童が煽る煽る。さすが、若い時にロック・バンドを組んでいただけのことはある。とうとう客席に降りて、観客は大喜び。澤村國矢は毛を手に振り回し、最後は毛振り!(ヘッドバンキングではない)。
ブルーレイには特典映像のメイキング映像が収録されていて、これがなかなか興味深い。藤間宗家が洋服で踊る姿は非常に貴重だ。超歌舞伎制作の苦労については ITmedia の2016年06月18日付け記事 http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1606/18/news018.html に詳しい。
ブルーレイには更なる特典映像として、ニコニコユーザーのコメント入り映像も収録されている。初めにコメント無しで観た時には分からなかったが、コメント付きで観ると終盤の「あまたの人の言の葉を」からの盛り上がりが凄まじい。双方向、ネットの向こう側からも参加可能な、本当に新しい歌舞伎だった。
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